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Vol.3「加入数が昨年対比17%増加」損害保険ジャパン日本興亜が体験したブランデッドムービーの力

企業や商品のブランドイメージを醸成しながらも、視聴者にとって有益かつ魅力的なエンターテイメント性を備えた映像作品、ブランデッドムービー。
これら2つの要素を融合し、見事に両立させた損保ジャパン日本興亜の新・海外旅行保険【off!】のブランデッドムービー「新感覚リズミカルムービー【off!】」の事例をご紹介します。
初めて海外旅行するときに誰もが抱くワクワク感や不安な気持ちを擬音や環境音のリズムでテンポよくつなぎ合わせた、これまでにない新機軸のブランデッドムービーとなりました。
 
今回、このブランデッドムービーの制作に携わった関係者4名による鼎談を実施し、その制作背景や意図、動画公開後の反響などを通して、ブランデッドムービーが持つ力と可能性に迫ります。
 
■ Vol.1 新・海外旅行保険【off!】から生まれた、新感覚リズミカルムービーはこちらから
■ Vol.2 すべてが新感覚ゆえに、手探りで作り上げたリズミカルムービーはこちらから
 


 
—動画の公開後、反響などはいかがでしたか?
 
齋藤:もともと好意度向上を目的としたブランデッドムービーですので、すぐに効果を得るのではなく、中長期的なスパンで効果が狙える商品だろうと考えていたのですが、意外な結果になりました。
 
河原:6月に動画広告を実施した期間だけで加入者数が昨年対比で17%アップしました。この期間、海外旅行のトレンドでいうと前年比で横ばいか微減ぐらいなのですが、弊社の加入者数は明らかに増えていて、正直こんなに早く効果が出るとは思っていませんでした。
 
荒木:旅行者数が変わっていないなか、【off!】を選んだ方は増えたということです。
 
河原:しかも驚くのが、全体的に伸びてはいるものの20代前半女性が顕著だった点です。この夏、一貫して増え続けているのはターゲットである20代女性だけでした。
 
大泉:僕たちとしても興味深いのは、ブランディングページや PRなど一連の施策はあったものの、実際の加入者数増加はダイレクトの領域だということ。ありがたいことにこういう効果が出ていますが、そうなってくるとこの効果はどのくらいまで継続されるのだろうか? と興味を抱きます。
 
荒木:こういった商品の特性として、一度入って何事もなければ願掛けやお守りのようにまた同じものに入ってくれる方が多いんです。利用者の90%以上が他の人にすすめてもいいという指標があり、リピーターになってくれる確率が高い商品なので、いかにして最初に当社に興味を持っていただくかがすごく大事なことなんです。
 
河原:動画単体の成果でみると、再生完了率が通常の195%。これも正直見たことがない数字です。すごいとしか言いようがありません。
 
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荒木:誰か関係者で動画をずっと再生し続けている人がいるのではないかと、疑いたくなるぐらいです(笑)。
 
齋藤:あの動画には、最初から最後まで見る人を魅きつけて離さない力があると思います。
 
大泉:そうかもしれないですね。SNSなどで、「確かにこれは新感覚」とか、「ついつい見ちゃったら最後はいい話だった」などの感想を見つけてうれしかったです。
 
荒木:女の子たちが旅行の計画中にひたすら不安をぶちまける動画だったらここまでの数字にはならなかったと思います。リズムの力というか、「あの音、最初は気づかなかったけど、いま見たら聞こえた」というような、二度見、三度見の効果もあったのではないかと感じました。
 
大泉:動画の再生率だけでなく、ブランディングサイトの誘導率も目を見張る数字でした。そもそも動画は、サイト遷移効果(クリック率)に長けたものではないんです。でも今回はコミュニケーションデザイン上サイトに遷移させたかったので、知りたい、クリックしたい気持ちを醸成するような動画にしました。その結果、通常の10倍近い数字のクリック率2%超えを記録しました。
 そしてキーワード検索数は、およそ6倍に膨れ上がりました。ブランデッドムービーをきっかけに【off!】に興味を持ち、改めて検索してくれた。それもすごい効果だと思います。
 僕たちの仕事の場合、通常はこれらのクリック率やエンゲージメント率、SNSでの広がり、リーチ数といったものが価値、評価対象になります。本来フェーズとしてはそれと売り上げは別なんですが、今回売り上げまでついてきたのが予想外で驚いています。
 
荒木:他社がやっていない新しい分野だというのもあるかもしれません。保険に関心がなかった層にリーチでき、素直に伸びたのかもしれないと感じました。
 
大泉:商材とも相性がよかったのかもしれないですね。単価が安い商材で、海外旅行に行く女性の大半が何かしらの保険に入るという土壌でコミュニケーションをはかったというところ。
ブランデッドムービーは商材によってはダイレクトな価値が生まれるかもしれないという仮説があって、今後検証していけるのではないかと感じています。リズミカルという手法だったから効果があったのかも含め、ブランデッドムービーラボとして、評価軸を立てながらやっていくのも面白いのではないかと考えています。
 
-最後に、今回【off!】のブランデッドムービーを実施した感想を聞かせてください。
 
河原:総じて、やって非常によかったと感じています。
 
齋藤:動画としても納得いくものができましたし、ターゲット層が見てくれたのもうれしかったです。もともと効果測定しづらいものだと思っていましたが、結果が出ただけでなく、それが契約に結びつくという想像以上の成果になりました。勇気を持ってチャレンジしてよかったと思います。
 
荒木:会社として初のターゲッティング動画となったブランデッドムービーが、ひとつの成功パターンになりました。ほかの商品でターゲットごとにセグメントしたPRを打ち出して行くときの参考になると思いますし、もっと積極的にやっていくべきだと感じています。
 
大泉:今回【off!】はダイレクトインパクトを生む成功事例になりましたが、商材やクリエイティブでの効果の違いを絶えず検証する必要があると思います。海外旅行保険をきっかけに、ユーザーの人生に長い時間寄り添っていけるのかにも興味があります。
 
荒木:間違いなく寄与していくのではないかと思います。絶対にマイナスに働くことはないですから。
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大泉:前述したようにデジタル施策はマスよりもターゲットを狭めて、そのうえで効果を数値化します。重要なのは、どういうターゲットに向けて伝えていくかということ。クライアントのニーズを企画段階から拾っていってターゲットを明確にしたうえで、作る過程を楽しむことが大事だと思いました。今回のリズミカルムービーは最終的にみんなが楽しんで作っていくことができたと思います。
 
荒木:確か私は企画書を見た段階で、このブランデッドムービーは3Dだという表現を使ったと思います。普通に女子が楽しそうにしているのは1D。そこにリズムが入って魅きつける面白さが2D。そして最後に企業のメッセージ性が加わって、3D。見事に立体感のあるものに仕上げていただいたと思います。
 
大泉:ありがとうございます。ブランデッドムービーはブランドメッセージが形になっていくもの。一概に形といってもいろいろあるから、【off!】でないと作れないようなコンテンツを目指しました。ブランドメッセージというコアな部分がブレることなく、まずは自分たちが楽しむこと。そのあたりがブランディングムービーの醍醐味ですね。
 
—今日はどうもありがとうございました。
 

(文:宮尾仁美、撮影:杉田拡彰)

 


 
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【プロフィール】※写真左から
河原聖也(損害保険ジャパン日本興亜株式会社 カスタマーコミュニケーション企画部)
 
齋藤英里子(損害保険ジャパン日本興亜株式会社 経営企画部 ※前カスタマーコミュニケーション企画部)
 
荒木隆行(損害保険ジャパン日本興亜株式会社 広報部メディアグループ)
 
大泉共弘(株式会社オプト クリエイティブディレクター/ブランデッドムービーラボ 上席研究員)
 

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