動画マーケティングの中でも、注目を集めているVR(仮想現実)。かつては特別なヘッドセットでないと視聴ができないVR映像も、今ではYouTubeでも簡単に視聴することができる。2016年はVR元年と言われ、多くのブランドがこぞって新しいVRテクノロジーを駆使し始めている。そんな中、エティハド航空が制作したVR映像は、ハリウッドスターを起用し、VRというだけでなく話題をさらっている。
―映画館に行くことなく、ニコール・キッドマン主演の新作映画を見ることができる―
アラブ首長国連邦の国営航空会社エティハド航空のVR(仮想現実)で撮影されたブランデッドムービー『Reimagine』がYouTube上で公開された。
説明ではなく体験を
360度すべての角度から撮影されたバーチャルリアリティーなストーリーで構成されたこのショートフィルムは、ニューヨークとアブダビ(アラブ首長国連邦)のノンストップフライトでのエティハド航空機内の体験を可能にする。
バーバリアングループ、シェリー・ワールドワイド社の援助の元、Media Monksという制作会社によってプロデュースされた本作品を監督したのは、Anthony Atanasio と Valerie Martinez。つなぎ目を感じさせないスムーズな映像に仕上げている。
エティハド航空のShane O’Hareは「私たちはMedia Monks をはじめとする両社にとても感動させられた」と語っている。
「このキャンペーンで、グローバルな視聴者に新型エアバスA380での素晴らしい飛行体験を伝えたい。また、このブランデッドムービーでは、マーケティングにテクノロジーと改革という新しい基準をいう要素を加える試みをした。」
このブランデッドムービーは、潜在的な顧客にエティハド航空での素晴らしい空の旅を体験してもらいたい、というO’Hareの思いから生まれた。それは「説明」ではなく「体験させる」必要があったとも語っている。
「5つ星ホテルのベッドのシーツがどれだけ気持ちいいか、最高級レストランの料理がどれだけおいしいか、などを顧客に「説明」する必要などない。我々のエアバスA380機でも同じことが言える。とにかく体験してもらうことが大事であり、このバーチャルリアリティーな世界によって、視聴者は本物の体験を味わう事ができるのだ。」
バーバリアングループ、クリエイティブディレクターのAdam Lauは、360度のバーチャルリアリティーは、引き続き成長過程にありながらも、よりハイクオリティでライブアクションさながらのリアリティを生みだせるはずだと付け加える。
『Reimagine』では、12時間のフライトの中で、豪華なキャビン、ファーストクラスで提供される料理、機内に常駐するベビーシッターなど、エティハド航空のあらゆるサービスをストーリーに組み込んでいる。カメラは、豪華な機内デッキのインテリアの隅々まで映しだし、キッドマンが空の旅のリラクゼーションタイムを楽しんでいる様子を映し出す。
アブダビにて6か月かけて撮影された『Reimagine』。実際のエアバスA380機内にある乗客の頭上にあるロッカーや、座席、機内のインテリアを完全にカスタマイズし、撮影は行われた。
視聴は、エティハド航空オフィシャル特設サイト、YouTubeサイト、またOculusのアプリをダウンロードして、VRヘッドセットでも楽しむことができる。
出典元)Adweek
Inside Nicole Kidman’s New VR Film That Shows Off a Luxurious Etihad Airways Jet