「ROIを理解すれば、動画広告の制作がより効果的になる。」
Nilesen Media Lab と HIRO Mediaの最新の調査で、CTR(クリックスルー率)や視聴数のようなエンゲージメントのような指標とROIには相互関係がほとんど存在しない、と報告された。
eMarketer のレポートによれば、43%のマーケッターが、オンライン広告でROIを証明するのは困難だと言っている。結果の見せ方が分からない限り、マーケッターがオンライン広告を継続的に行っていくのは難しいだろう。そのために、Nielsenはエンゲージメント指標ではない3つの指標と、それがどのように顧客の行動に影響するかを述べている。
あなたはもしかしたら予算を無駄にしているかもしれない(上位ランキングのサイト)
ブランド企業は、ComScoreトップ10のサイトでの動画広告枠に約5倍もの予算をかけているが、Nielsenはこれは顧客の購買意志には影響を与えないと発表をした。特に車や化粧品などを扱う、すでに顧客に「認知」されているブランド企業にとってはなおさらである。ブランドを助成想起させることに関しては、下記の表でわかるように、たった3%の違いしかないのである。
大きな再生画面は非ターゲット層へのリーチに適している(再生画面の大きさ)
ブランドの認知度を上げるためには、非ターゲット層の視聴者にも広告を届けたいと思うマーケッターが多いだろう。例えば、ホリデーシーズンなどは女性の化粧品をプレゼントとして購入する可能性の高い男性にリーチする、などである。こういったブランドの想起などでは、上位ランキングのサイトでの大きな再生画面は有効である。
再生画面の大きさとサイトのランキングは小規模ブランドには影響を与える
再生画面の大きさとサイトのランキングは、ローカルビジネスだったり比較的狭い顧客層のためのブランドのような、小規模な「あまり知られていない」ブランド企業には大きな影響を与えている。
これはつまり「知られていないブランドは、気づかれるために大きな声を出す必要がある」ということである。Nielsenはそれだけでなく、そういったブランド企業は最初に大々的なキャンペーンを行うことで認知度を上げてから、より小さいキャンペーンを行うべきであるとしている。
左のグラフは小さい再生画面、右のグラフは大きい再生画面でのそれぞれのリーチ数をポイントで表現している。水色がトータルリーチ数、青色がターゲット層でのリーチ数、グレーが非ターゲット層のリーチ数である。わかる通り、再生画面の大小でターゲット層の数は3ポイントの違いしかなかったが、非ターゲット層では約30ポイントの違いが生まれた。
オンライン動画はまだケーブルTVと類似点が多い
Nielsenは、デジタル動画広告の成功の過程は、10数年にわたってTV業界が行ってきたことと非常に類似していると述べている。ブランドが新商品を販売するとき、最初にマスメディアであるTVネットワークなどで大々的に長尺の広告を放映し、ブランドメッセージが浸透していくと、ケーブルTVにシフトし比較的短尺な広告を放映するようになる。この考え方をデジタルに移管するとすれば、最初にトップランキングのサイトに4週間広告を出し、その後トップ1000のような比較的小規模なサイトで展開をしていく。
コンテンツを囲む環境が重要である
広告は適切なコンテンツと一緒に出ることで、適切でないコンテンツと一緒に出る事時に比べ、購買意向や記憶に残るインパクトを与える割合が30%増加している。
Nielsenが発表したグラフでは、特にスポーツや車関連の広告において、コンテンツの適切さが大きな違いを生んでいることがわかる。青グラフが適切なコンテンツ内に展開された広告の結果、黄色が不適切な広告の結果である。
マーケッターがいまだにROIの数字を求めているのであれば、この調査の数字は彼らの予算の使い方をより効果的に賢く投下できる指針となればいい。
出典元)Contently
The Truth About the ROI of Online Video Ads, in 5 Charts