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【Branded Shortsインタビュー】「個人の心を掴みながらも、全ての人に響く」

Branded Shorts 2016で紹介した『A Christmas Love Story』、登場人物である男女の視点をそれぞれ別の作品で描くという非常にユニークな作品でした。本作品を手掛けたベルギーのの制作会社 CZAR のエグゼクティブプロデューサー、Eurydice Gyselさんにインタビューを行いました。長編、短編、ブランデッドエンターテイメントとあらゆるジャンルの映像を手がける彼女にとってのブランデッドムービーとは?

 


 

Branded Movie Lab(以下「BML」): Gyselさんが所属するCZARはどのような会社ですか?エグゼクティブプロデューサーに求められる役割とは何でしょうか。

 

Gysel氏CZAR.BEでは、広告映画をはじめ、長編映画や短編映画、テレビシリーズの制作を行っています。私たちは、インターナショナルな枠組みとネットワークの中で、監督主導の映像作りを行い、日々進化する新しいストーリーの見せ方や映像技術を届けていきたいと考えています。向上心あふれる映像監督たちのプラットフォームとなって、ベルギーの才能を世界に送り出すことが最終的な目標です。

ここで私はエグゼクティブディレクターとして、ディレクター兼プロデューサーのKoen Mortier氏と協力し作品のマネジメントを行っています。具体的な役割は、制作中の作品が納期までに予算の範囲内で完成するよう、常に全体を見ることです。中でも特に重要なのは、全ての作品が、内容とクオリティの両面において監督・クライアント・広告会社全員の満足基準に見合うものにすることですね。

 

Branded Movie Lab(以下「BML」): ブランデッドエンターテイメントの定義と魅力を教えてください。

 

Gysel氏私たちが作っているものは、単なるブランデッドコンテンツを超えた、「エンターテイメント」×「プロダクトメッセージ」が融合した映像作品だと考えています。今、広告の世界にはありとあらゆるコンテンツが溢れ返っています。その中で、作品の独創性・本物の説得力・モノづくりの力を軸として、既存のものとは一線を画した作品を生み出していきたいですね。

 

ベルギーの携帯電話会社Mobistarのブランデッドムービー。
こちらは女性の視点から描かれている。

 

Branded Movie Lab(以下「BML」): ブランデッドコンテンツのプロジェクトを立ち上げ、制作するプロセスの一般的なパターンを教えてください。監督の選び方はいかがでしょう?

 

Gysel氏クライアントがどういうタイプかによりますが、広告会社を介している場合には、あらかじめCZAR所属の「この監督に撮って欲しい」という明確な希望を持っていることがあります。特に指定がない場合では、例えば広告会社がコンペを開催することも。その場合には、まず私たちが推薦する監督が脚本を書き、他のプロダクションの監督たちと競います。他に、広告会社を経由せずに直接依頼をもらうクライアントもいますよ。例えば私たちがプロボノ活動の一環として行った案件で、バンドグループと一緒にミュージックビデオを作ったことがあります。

 

 

Branded Movie Lab(以下「BML」): ブランデッドコンテンツ制作において考えるべき重要なポイントは何でしょうか?

 

Gysel氏昨今のマーケティング環境では、あからさまな広告手法に消費者のほうが興味を失っていることが多いのではないでしょうか。だからこそより自然で、よりクリエイティブなアプローチでブランドを表現していきたいです。

 

先ほどのMobistar、こちらは男性の視点から描かれている。

 

Branded Movie Lab(以下「BML」): CZARが手掛けたブランデッドコンテンツで一押しの作品を教えてください。作品が優れているポイントと魅力は何ですか?

 

Gysel氏個人の心を掴みながらも、全ての人に響く。そして時にはとんでもなく馬鹿げた笑いを交えた私たちの映像ですが、「企業ブランドに人間味を与える」ことが出来ている例が多いように感じます。多くの広告が見過しているポイントです。これを監督たちの個性豊かな映像スタイルと融合させていくことで、とても強く響く映像が生まれます。

 

Lionel Goldstein氏が最近監督したBicky Hamburgerの映像では、なんと「牛の糞がハンバーガーだったことから、それが神様のメッセージだと宣言」されています。

 

 

Koen Mortier氏が手掛けたのは、男女の賃金格差を知ってもらうための、「イコール・ペイ・デイ(Equal Pay Day)」と呼ばれるキャンペーンの映像です。

Joe Vanhoutteghem氏が監督した、ベルギーの新聞社De Standaardの映像もご覧ください。

 

 

 

Branded Movie Lab(以下「BML」): 短編・長編映画制作というバックグラウンドを持つCZARですが、その立場から、クライアントの要求に応えることと創造性のバランスの取り方についてはどのように考えますか?

 

Gysel氏一番重要なことは、ストーリーが何にも優先して作品の軸になっているということです。メッセージのないコンテンツはありませんから、何を伝えたいのか、なぜ伝えたいのか?その部分を考え抜きます。また、ブランドへのアプローチにおいて“創造的な発想”と“ビジネスの発想”を一つにしていくためには、分析が非常に重要になってきます。クライアントは、目的によく適った、新鮮さのある作品を求めています。彼らが他の様々なチャネルを通じて発信するメッセージとの一貫性というのも、必ず守るべきポイントです。

 

広告に溢れかえった世の中。視聴者が広告自体に興味を失い始めている、そんな現実を受け入れながら、自分なりの方向性を定めてブランデッドコンテンツと向き合う姿を見せてくれたGyzel氏。ストーリー性を重要視しつつも、そこにクライアントのメッセージを融合させる。−自然な形で一番伝えたいことを視聴者に届けるというブランデッドムービーの真の姿を再認識させてくれたインタビューでした。

 


 

Eurydice Gysel

 

Eurydice Gysel

 

ブリュッセルに拠点を置くCZAR.BEのエグゼクティブディレクター。プロデュース作品はCZAR制作の映画にとどまらず、カンヌ映画祭でプレミア上映された『Borgman(2013)、ベルリン国際映画祭でプレミア上映された『Supernova(2014)など、各国で上映された作品が多い。マネージングディレクターを務めるCZAR TVでは、最初に制作した『The White Queen』が2013年より英BBCと米Starzで放送され、ゴールデン・グローブ賞とエミー賞にそれぞれノミネートされた。

 

http://czar.be/

 


 

2017年に向けてBranded Shorts 2017 募集中!詳細は公式HP

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